北海道信用農業況堂組合連合会

JAバンク

経営環境と業績

経済・金融動向~内外需停滞、政策金利引下げと金融円滑化支援強化

 平成20年度の国内経済は、秋の金融危機以降の世界的な需要の落込みにより国内景気の牽引役であった輸出が大幅に落込み、企業は設備投資の大幅な削減、雇用調整に乗出し、民間消費も減少傾向が強まり内外需とも停滞が続きました。
日銀は、世界経済悪化に伴う国内経済の下振れリスクが強まったと判断し10月、12月と二度にわたって政策金利を引下げたほか、企業の資金調達が厳しい状況にあることに鑑み、金融円滑化支援のための政策を実行しました。
金融情勢については、米国に端を発した世界規模での金融危機は海外大手金融機関の再編・統合や国有化等の混乱状態へと拡大し、この金融不安に対し各国協調の下様々な危機対応が続けられ、予断を許さない状況でありました。
一方、系統信用事業を取巻く環境は、農業金融分野への参入を指向する金融機関も見られる等ますます厳しさを増す状況でありました。

農業情勢~食料問題への国民意識の高まり、厳しさを増す農業経営

 異常気象の頻発や新興国における経済発展、バイオエタノールの生産拡大等により世界的に食料需給が逼迫する中、農産物の国際価格は一時過去最高水準に高騰し、輸出規制を導入する食料輸出国が現れるなど食料を巡る様々な問題が顕在化しました。
わが国においても食品価格の値上がりや食品偽装問題等が発生し、国民的課題である食の安全や食料自給率の向上に対する国民意識が高まった一年となりました。
本道農業については春先に一部地域で降雹に見舞われたものの、全般的には好天に恵まれ豊かな出来秋を迎えることができました。一方で、肥料・燃油・飼料等の高騰は農業経営に深刻な影響を及ぼしました。

損益の状況

 上記の経営環境のなか、事業計画に沿って役職員一丸となり鋭意努力いたしましたが、今期決算は前期に引続き世界的な金融資本市場の混乱や株価低迷の影響を受け、欠損金の計上を余儀なくされ、JAバンク北海道の本部機能を継続して発揮していくために出資造成を行いました。

平成20年度の業績

〔貯金・NCD〕
JA貯金は、各JAの貯金キャンペーンなどによる長期の定期貯金を中心とした個人貯金の増加を背景として、前年対比656億円(2.3%)増加し、期末残高は2兆9,081億円となりました。
本会貯金についても、道内JA貯金の伸びを受け、前期末比701億円(3.3%)増加し、期末残高で2兆2,256億円となりました。

〔貯金・NCD〕

〔貸出金〕
貸出金は、准会員向け設備・運転資金は減少したものの、正会員向け、地方公共団体向け、高格付け先を中心とした員外向け貸出などの増加により、前期末比984億円(19.7%)増加し、期末残高は5,982億円となりました。
なお、内訳はJA・系統関連企業等への貸出金が2,071億円、一般企業等(地方公共団体含む)に対する貸出金が3,911億円となっています。

〔貸出金〕

〔余裕金〕
余裕金については、預け金や固定利付債券による安定収益確保のための運用に加え、運用の分散化や多様化にも取組みました。
有価証券残高は、前期末比69億円(▲1.3%)減少し、5,089億円となりました。
預け金についても、同2,939億円(▲25.6%)減少し、期末残高は8,540億円となりました。
余裕金全体では、同690億円(▲4.1%)減少し、残高は1兆6,181億円となりました。

〔余裕金〕

〔受託貸付金〕
受託資金の期末残高は、農業情勢の厳しさ等を反映して年々減少しており、前期末比では79億円減少し、3,401億円(うち日本政策公庫資金2,602億円、同住宅金融支援機構資金770億円)となりました。

〔受託貸付金〕
 



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