北海道信用農業協同組合連合会

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経営環境と業績

経済・金融動向~ 国内景気再び停滞局面

国内景気は、内需の回復力は依然として弱いものの、本年に入り、海外経済の回復に伴い踊り場脱却を模索する一方で、中東情勢の悪化から国際商品市況が高騰し、世界的なインフレ懸念も高まりました。
日銀は、昨年10月に政策金利の誘導目標の変更(0~0.1%)等による包括緩和策を導入し、「実質的なゼロ金利政策」を実施しました。
このような中、本年3月に発生した東日本大震災により、実体経済や金融市場に大きな影響を及ぼす状況となり、日銀は、資産買入基金を新たに5兆円程度増額するなど、追加の金融緩和に踏み切りました。
一方、系統信用事業を取り巻く環境は、銀行・信金等による農業金融分野への積極参入の傾向は強まっており、競争は一層激化している状況にあります。

農業情勢~ 新たな農業政策と課題、引続き厳しい農業経営環境

昨年3月に平成32年度を目標とする新たな「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定され、戸別所得補償制度の本格導入および6次産業化などを基本とする政策体系が構築されるとともに、食料自給率を50%に引き上げる目標が掲げられました。
また、同「基本計画」の下、戸別所得補償制度の本格実施に向けて、米を対象としたモデル対策が実施されました。
一方、昨年10月の菅首相の所信表明演説において、突然、例外なき関税撤廃を原則とするTPPへの参加検討についての発言がなされました。同年11月には、首相を本部長とする「食と農林漁業の再生推進本部」が立ち上げられ、農業強化に向けた国内対策の検討がなされておりますが、その議論の行方は不透明な状況にあります。
本道農業については、昨年7~8月にかけて、異常高温と多雨により、小麦をはじめとした畑作物・野菜を中心に2年連続の大幅減収となり、約500億円に及ぶ農業被害を受けるとともに、酪農・畜産でも、乳量・乳質、受胎率等に影響が出ました。

損益の状況

  上記経営環境のなか、平成22年度は貯金の着実な伸びと会員からの資本増強に支えられ、ALMやリスク管理に基づく運用力の強化や業務の効率化・合理化、コスト削減に継続して取り組んだ結果、経常利益95億円、当期剰余金93億円を計上しました。引き続き財務の健全化を図っていきます。

平成22年度の業績

〔貯金・NCD〕
JA貯金は、貯金キャンペーンの実施等により個人貯金を中心とした増加を背景に前年対比251億円(0.85%)増加し、期末残高は2兆9,976億円となりました。
本会貯金についても、道内JA貯金の伸びに加え、地公体他の員外取引先からの貯金増加により前期末比664億円(2.8%)増加し、期末残高で2兆4,344億円となりました。

〔貯金・NCD〕

〔貸出金〕
貸出金は、JA向け貸出は増加したものの、その他正・准会員および員外向け貸出が減少したことにより、前期末比289億円(5.0%)減少し、期末残高は5,455億円となりました。
なお、内訳はJA・系統関連企業等への貸出金が1,656億円、一般企業等(地方公共団体含む)に対する貸出金が3,798億円となっています。

〔貸出金〕

〔余裕金〕
余裕金については、預け金や固定利付債券による安定収益確保のための運用に加え、運用の分散化や多様化にも取り組みました。
有価証券残高は、前期末比270億円(3.9%)減少し、6,723億円となりました。
預け金については、同1,408億円(12.6%)増加し、期末残高は1兆2,495億円となりました。
余裕金全体では、同1,108億円(6.1%)増加し、残高は1兆9,289億円となりました。

〔余裕金〕

〔受託貸付金〕
受託資金の期末残高は、農業情勢の厳しさ等を反映して年々減少しており、前期末比では257億円減少し、3,024億円(うち日本政策金融公庫資金2,435億円、同住宅金融支援機構資金572億円)となりました。

〔受託貸付金〕
 

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