北海道信用農業況堂組合連合会

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経営環境と業績

経済・金融動向~先行き不透明感の強まり、政策金利は据置き

 平成19年度の国内経済は、年前半では海外経済拡大に伴う輸出増加を背景に設備投資・個人消費は底堅く推移し緩やかな景気拡大がみられていたものの、夏場以降米国に端を発する世界的な金融資本市場の不安定な状態が拡大し、先行きの不透明感が一段と強まってきました。
政策金利は、年初には利上げが予想されていましたが、米国経済の減速懸念や消費者マインドの悪化等も影響し、物価上昇率は徐々に高まりつつあるものの、0.5%に据置かれたまま推移しました。
金融情勢については、昨年10月の「ゆうちょ銀行」誕生および農業分野への系統外金融機関の参入など、個人市場分野における競争が一段と激しさを増すなか、9月には金融商品取引法が施行され、さらに高い水準の顧客保護への取組みを求められることとなりました。
また、一方で、新BIS規制の導入に伴うリスク管理態勢や内部統制の高度化への取組みが今まで以上に要求されるなど、金融機関経営のより一層の充実が必要とされる状況となってきています。

農業情勢~求められる国際化への対応、厳しさを増す農家経済

 WTO農業交渉は昨年7月に提示された農業交渉議長によるモダリティ案に基づき9月以降交渉が重ねられましたが、各国間の姿勢の相違により難航している状況にあります。また、日豪EPA交渉についても4回の会合が開催されましたが、両国の主張が対立し交渉は長期化するとの見方が強まっています。
本道農業については全体としては好天に恵まれ、平年並みの収穫を確保できましたが、原油高を背景とした生産資材価格の上昇や酪農経営における飼料高騰等、農家経済は一段と厳しさを増した年でありました。

損益の状況

 統合的なリスク管理態勢の整備とALMの充実に努めてまいりましたが、国際金融市場の混乱に伴い保有有価証券の評価損が増大し、当期欠損金を計上することとなりました。なお、欠損金は次年度以降に繰り越さず、当期において一括処理しております。また自己資本比率についても、十分に健全性を維持しております。

平成19年度の業績

〔貯金・NCD〕
JA貯金は、品目横断的経営安定対策の導入による農畜産物販売代金等への影響はありましたが、全道統一貯金キャンペーンや各JAにおける取組みなどにより、前期末比719億円(2.6%)増加し、期末残高は2兆8,425億円となりました。
本会貯金についても、道内JA貯金の伸びを受け、前期末比878億円(4.2%)増加し、期末残高で2兆1,554億円となりました。

〔貸出金〕
貸出金は、系統関連先への的確な資金対応や市場性貸出など運用の多様化による員外貸出金の伸張に努めたものの、JA・系統関連企業向け融資の残高減少により前期末比296億円(△5.6%)減少し、期末残高は4,998億円となりました。
なお、内訳はJA・系統関連企業等への貸出金が1,903億円、一般企業等(地方公共団体含む)に対する貸出金が3,094億円となっています。

〔余裕金〕
余裕金については、預け金や固定利付債券による安定収益確保のための運用に加え、運用の分散化や多様化にも取組みました。
有価証券残高は、前期末比185億円(▲3.5%)減少し、5,158億円となりました。
一方預け金は、同1,681億円(17.2%)増加し、期末残高は1兆1,479億円となりました。
余裕金全体では、同688億円(4.3%)増加し、残高は1兆6,872億円となりました。

〔受託貸付金〕
受託資金の期末残高は、農業情勢の厳しさ等を反映して年々減少しており、前期末比では同172億円減少し、3,481億円(うち農林漁業金融公庫資金2,555億円、同住宅金融支援機構資金866億円)となりました。

 



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